2007-11-12 企業不祥事
先週、東洋ゴムは、断熱材の耐火性能偽装が発覚し、ストップ安した。耐火性能を偽った住宅建材を販売しながら、社長が隠蔽を指示していたニチアスの株価は、6日連続ストップ安した。会社更生法を申請した英会話教室最大手のNOVAでは、社長の様々な公私混同が明らかにされつつある。グッドウィルグループは介護報酬の不正請求で在宅介護事業の売却を強いられた。優良食品会社と見なされていた加ト吉は、循環取引の不正会計に加えて、食肉偽装事件にも関与し、創業社長が辞任した。非上場会社ゆえ、外国人投資家には見え難いが、老舗菓子メーカーの「赤福」、「御福餅」、「白い恋人」の賞味期限改ざん、ミートホープ社の食肉偽造、比内地鶏の偽装事件など食品会社の不祥事が、毎日のようにマスコミを賑わしている。6-9月の農林水産省への食品不正の内部告発件数は、前年同期比2.7倍の1241件に達した。日本では昔から総会屋への利益供与、談合、製品不具合など様々な不祥事があったし、企業不祥事は日本に限らず、世界的な現象でもある。企業不祥事は経営者の経営姿勢、社風、会社としてのリスク管理体制、業界慣行などに依存する。最近の不祥事は、創業社長によるワンマン経営体制の綻びによるものが多く、経営者のモラルの問題が大きい。大企業では株主からの圧力による利益至上主義、中小企業では経営環境の厳しさが反映している。食品業界の不祥事多発は、冷凍技術発達の悪用に加えて、日本人の地方名産品好みにつけこんだ面がある。06年4月施行の公益通報者保護法で内部告発を行い易くなった影響や、08年4月施行の日本版SOX法で内部統制報告が厳しくなる前の駆け込み的不祥事の面がある。貸金業法や建築基準法の改正の悪影響に見られるように、不祥事多発は政治介入や規制強化を招き、優良企業も含めて業界全体を長期にわたって苦しめることになる。企業不祥事が相次ぐと、外国人投資家の日本株投資意欲をさらに低下させる。不祥事を起こした企業の株価は急落するが、その後業績や株価が回復するかどうかは、不祥事が本業で起きて、ブランドを著しく傷つけ、企業の存続を脅かすかどうか、経営者や関係者が引責し、新しいリーダーシップの下で経営再建が図られるか、再発防止策がきちんととられるか、しっかりした支援企業があるかなどに依存する。例えば、過去に大きな不祥事を起こした企業のうち、三菱自動車は三菱グループの支援で立ち直ってきた一方、不二家は山崎製パン傘下で再建に苦労している。今回の事例でいえば、東洋ゴムは立ち直りが早い可能性がある一方、ニチアスの不祥事は企業の存亡に関わる可能性があろう。
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